大和ハウスは大阪市北区および東京都千代田区に本社を置く住宅メーカーです。
売上高は連結で2兆円を超える巨大建設会社として大手の位置に君臨します。
スーパーゼネコンと呼ばれる各社よりも多い売上高となっています。

しかし、個人向けの注文住宅という事業のみでみると、積水ハウスなどには及んでいません。

プレハブ住宅のパイオニアであり、鉄骨・木造ともに提供しています。
積極的にマス広告を打っており、近年は変化球的なTV CMで話題です。
みなさんも一度は目にしたことがあるでしょう。

ハウスメーカーの広告、特にCMには2タイプあります。
一つはコンセプトを短編ムービーに仕立て上げたミュージックビデオのようなものです。
そして、もう一つはCM自体のおもしろさを強調するものです。

商品の宣伝にはその商品の特徴や利点などをいかにわかりやすく伝えるか、
というのが本来の広告ですが、
こと注文住宅に関しては、そいういった手法はあまりとられません。

理由は、言えることが限られてるからです。
注文住宅に特に求められるものは、「客の要望」です。
その次に「機能」があります。

メーカー側は要望には答えます、というのが大前提であるため、
「他のメーカーより要望に応えられますよ」というのは宣伝にはならないのです。
また、実は「機能」は単純に比較できないものになっています。
例えばQ値などのようにものさしが数値として明確になっていればいいですが、
「木造」と「鉄骨」どちらがいいのか、というのは基本的には
一長一短の面があり、端的にこちらがいいということは難しいことです。

そういった意味で、商品の宣伝ではなく、
まずは「名前を覚えてもらうこと」という戦略で
「なんか良さげな雰囲気CM」か「ちょっとシュールなおもしろ短編ムービーCM」が作られるのです。

また家は相当に高額な商品であるため、会社自体の体力や信頼度というのも
購買判断に加えられます。
テレビCMにやたらと有名俳優などが積極的に採用されることが、
「お金をかけてる」= 「お金をかけられる(体力がある)」という意識への働きに
一役買っています。

また、広告宣伝費は当然商品(家)の値段に上乗せされます。
しかし、だからといってそれが割高である、テレビCMを打たないメーカーの方が
その分、割安でコスパがいい、というわけではありません。
この話は別途分析します。