平屋と二階建てどちらがいいのか

各ハウスメーカー、平屋プランと多層プラン、必ず用意しています。
基本的には平屋は売れ線ではないため一般的な感覚としてあえて平屋にする意味があるのか?と考える人も多いでしょう。

坪単価はどうしても平屋が高くなる

同じ床面積と仮定しても
平屋は二階建て、三階建てと比較して坪単価は基本的に1割から3割ほど高くなります。
特に大きな理由は、二階建て・三階建ての方は「柱」を一階部分から共通で上にのばせるのに対して
平屋は床面積の分だけ横に広がるために本数としては多く必要になります。
居住空間の容積が同じであれば柱ののべ長さは同じであるのですが、
上にのばすのではないため、多くカットする必要があります。

また、本数が多い分基礎に直結する部分が多くなるためによけいにコストがかかります。

加えて、同じ床面積であれば二階建ての場合、平屋に比べて屋根が半分でいい、ということは自明ですよね。

平屋は割高だけども選ばれる理由

費用面だけを考えると、デメリットが目立ちますが各ハウスメーカーがランナップしているように
当然一定の需要があるのです。

居住空間としての効率

平屋は文字通り二階がありませんから階段が必要ありません。
また、廊下も少なくてすみます。
「住む」ということを考えると建坪に対しての部屋の割合が多層住宅に比べてかなり大きくなります。
案外階段というのは平面的に考えても、立体物と捉えてもかなり大きな面積/体積を占めるのです。
一度図面を見てみましょう。
図面では一層ごとの平面図が描かれているのが普通ですので、見逃しがちですが一度それらを足してみましょう。
もう一部屋とれるんじゃないの?というくらい大きいものです。

生活導線の効率

平屋は階段がありませんから、バリアフリー的な意味では当然メリットがあります。
もっと大きな意味で考えると、それは全てのことが同じ空間内で済むということなのです。
洗濯物を干しに二階のベランダへ行く、二階のリビングから階下の風呂へ入る、
なんてことがないのです。これは一度経験するとかなり手放したくない、生活上のメリットとなります。

このようなことを解決するために近年多層の注文住宅に多くなってきていますが各階にトイレを設置するケースがありますね。
各階にトイレ、というのは当然便利ですがコスト面を考えても空間の無駄使いということを考えても
平屋には及びません。

それはマンションに住むようなイメージでもいいかもしれませんね。

性能面でのメリット

住宅に求められる性能は様々な指標がありますが、特に耐震面や断熱面で有利です。
背の高い構造物が耐震的に不利なのは想像に難くないと思います。
また、風の強い地域や豪雪地帯なども高さを抑えようとする外力がありますからそういう側面からも選ばれる傾向があります。

平屋のデメリット・二階建て/三階建てのメリット

しかし、いいことばかりではありません。
コスト面で二階建て/三階建てに及ばないのに加えて欠点があります。
平屋は建てる土地を選びます。
縦方向に広げるものを横に広げるために、それ相応の土地の広さが必要です。

ご存知のように土地に関しては、「広さ」で値段が変わってきますよね、
上方向にはいくら大きくしようとも土地自体の値段は変わりませんね。

日当りと洗濯物

住宅密集地など、周りに二階建て以上ばかりの地帯に平屋はそぐわないことでしょう。
理由は、日当りの問題です。
日当りには色々と規制があり、それを守らないといけませんが、
・日影規制とは?
・斜線制限とは?

後から入る建築物に対して、周りの建築物に制限を後から課すことはできないために、
日当りがすごく悪い住宅を建ててしまう可能性があります。

二階建てであれば、周りの高さに合わせて日の当たる場所を確保することができるでしょう。
特に三階建てなど規制の範囲内で周りよりも高くすることができれば非常に日当りがよい住宅を建てることができます。

日当りなんて気にしない、という声を聞いたことがあります。
日当りが悪い、というのは単に温度コントロールが難しい、という問題だけではなく、
日々の生活で支障が出るのです。特に洗濯物が乾きにくいです。

欧米では洗濯物は干さない

貧富の差が大きい国などで顕著ですが、特にアメリカを例にとって言います。
アメリカでは「洗濯物を干すこと」はちょっと恥ずかしいことなのです。
それは洗濯物を見られる、という意味ではなく、「乾燥機のない家」というレッテルを貼られるからです。
そうです。何でもかんでも乾燥機なのです。

逆に考えると、日当りどうでもいい、洗濯物は乾燥機バリバリ!、という考えであれば
周りの建物の影響を考えずに平屋、という選択肢もありなのでしょう。