木造住宅と鉄筋コンクリート・鉄骨住宅の比較
家を建てるにあたって最初に選ぶのは木造か、鉄筋・鉄骨の住宅どちらにするかです。
木造系 VS 鉄骨系
木造系のハウスメーカーには
アキュラホーム、東日本ハウス、三井ホーム、住友林業、アイフルホーム、
イムラ、ヤマダ・エスバイエルホーム、クレバリーホーム、サーラ住宅などがあります。
鉄骨系のハウスメーカには
積水ハウス、ダイワハウス、セキスイハイム、パナホーム、トヨタホーム、三洋ホームズなどがあります。
企業のパワーとして、鉄骨系の方に実績のある、大きな企業が偏っているように見えますが、
積水ハウスなどは木造住宅も手がけており、積極的に売り出しています。
また、ローコストと呼ばれるメーカーはほぼ木造であるためにその傾向があるように見えますが、
一方で高級と呼ばれる住友林業なども木造系のメーカーとして知られています。
鉄骨系には鉄筋コンクリート、重量鉄骨、軽量鉄骨などがあります。
木と鉄どちらがいいのか
木造系メーカーは鉄骨系を批判しますし、鉄骨系は木造系を批判します。
両者の言い分の多くは基本的に下記に集約されます。
木造系「鉄骨系は鉄なので冷たい、暑い」
鉄骨系「木造系は脆い」
「暑い、寒い」議論は無意味
両方正しいですが、「住宅」という観点から見ると正しくはありません。
鉄は冷たいのは当たり前ですが、
住宅として求められるのは「断熱・遮熱」能力です。
これは素材がどうであるか、よりもより公平な断熱性能の数字で表されます。
例えば「Q値」を公表しているメーカーのうちトップクラスは一条工務店、木造系の住宅です。
(一条工務店のよすぎるQ値についてのカラクリは別途書きますが..)
耐用年数という考え方
木造系は脆い、これは事実です。
様々な評価指針がありますが、たとえば国税庁が発表している「耐用年数」を見てみましょう。
こちらをご覧ください
木造の住宅の耐用年数は22年、とされているのに対して、
「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの」はそのほぼ倍の47年とされています。
この耐用年数という考え方、自身で税金を納めている経営者など商売をされている方はご存知かと思いますが、
「減価償却」にかかるもので、この期間内は「資産」としてみなしますよ、というものです。
資産とみなした上でそれを取得にかかった経費を毎年均等に損金として処理するものです。
若干脱線しましたが、国のお墨付きとして定められたこの期間は「耐用」する、という見方ができます。
取得時に安いものと高いもの
高級ハウスメーカーも木造住宅を取り扱っていますが、基本的には比較すると木造の方が概して安いです。
しかし、この事実はあくまでも「取得時」の話です。
上記の耐用年数にもあらわれていますが、一般に木造の方が寿命が短いという評価があります。
寿命がくると住宅は朽ち果てるのでしょうか?
そのようなことはありませんよね。
木造住宅で大事なのはメンテナンスです。
取得時に安かった分、それを年月をかけてメンテナンス費用を支払っていくことになるでしょう。
これらを勘案すると、木造の方が安く済む、とも言えなくなります。
同じ費用で考える場合、最初に多く払うか、年月をかけて払っていくか、という比較になっていくでしょう。
注文住宅において、鉄骨系の決定的なメリット
鉄骨系は、構造物を柱で支えます。
木造系はその多くが、
モノコック構造など、をアピールしているメーカーがあるように面・壁と柱で支えます。
木造系は壁自体が構造上の重要な部材になるのに対して、
鉄骨系は柱があればなんとか、という側面があります。
これは、どこに関わるかというと「窓」です。
いわゆる鉄骨のビルを想像してください。
それらは道路に面したところは窓で覆われているでしょう。
壁に強度をそれほど求めないということは、大きく窓を取ることができ、
明るい部屋を作ることができるのです。
ときには、窓と言わず大きなベランダとして「全面出入り口」なんてことも設計上は可能です。
木造の決定的なメリット
木は加工に優れるのは想像に難くないでしょう。
ライフステージの変化とともに家に求めるものも様々に変わるのが常です。
将来、どのような役割を家に求めるか、ということを予想するのは難しいことです。
いざ何かが変わった、そんなとき、人はリフォームするのです。
鉄骨系住宅はリフォームが大規模になりがちです。
大規模になるというのはつまり、費用が恐ろしくかかるということなのです。
木造であればそのようなことはありません。
メンテナンスが大事、ということでもわかるように
ちょっとしたリフォームも気軽にできることでしょう。
まとめ
どこの評価を見てみても、鉄骨系は暑い、冷たい、ばかりなので
記事をまとめました。
暑いか、寒いかは住んでみて始めてわかるもので、
かつ
ネットの口コミにおいては「自分が住んでいる種類の住宅の温度」しかわからない、ことを念頭に受け入れるべきです。
暑いか、寒いかの比較は同じ場所に同じ構造の建物を建てて公平に判断しないとわからないのです。
これを判断する一つが「断熱性能」なのです。
どうかネットの「暑い、寒い」議論に惑わされ無きよう..