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住宅の性能にこだわりすぎると家の寿命が縮まる

現在、家を求める人の多くは「高性能」であることを第一の指標としていることが多いでしょう。
一条工務店なんかは「家は性能」である、と言い切っています。

例えば一条工務店のいう性能とは
・耐震性
・耐久性
・省エネ性
・快適性
などとしています。

省エネ性、快適性などは特に、高気密、高断熱、換気システム、発電、蓄電システムなど様々な
システムを組み合わせて実現されています。

これらの「性能がいい」というのは何をもって判断されるのかを考えてみると、
性能にこだわりすぎると出てくる問題点がわかります。

「高性能」とは「今現在」の価値でしかない

性能とはテクノロジー、技術の結晶です。
科学技術の進歩が性能を上げてきました。

家は人生のうちで何度も買うものではありませんし、買えるものでもありません。
買ったその瞬間から何十年も住み続けることが前提とされています。

例えば10年後、あなたはおそらくその家に住んでいるでしょう。
30年後もおそらく住んでいることが想定されているでしょう。
それくらいの気持ちで家を、ハウスメーカーを選んでいることかと思います。

少し考えてみましょう。
今から20年前、世の中はどうだったでしょうか。
スマホなんてものは当然なく、普通の携帯電話ですら、一般の人にはほとんど普及していませんでした。
すごい不便な世の中ですよね。でもその「世の中」は当時の最先端です。

あなたが生まれ育った家、あるいは子どもの頃住んでいた家はまだあるでしょうか。
すでにない方は想像で結構です。
まだある方、その家はどうですか?
寒いですか?暑いですか?
性能はいいですか?
よくはありませんよね。どう考えても今の家とは見劣りするはずです。

だけれども、
その家が建てられた時、その家は当時の「高性能」住宅であったはずです。
当時は「高性能」とは謳っていなかったとは思いますが、最高かどうかはさておき当時の技術が詰まった家だったはずです。

今から20年後を想像してみましょう

今から20年前、携帯電話も普及していなかった時代です。
20年後はよりすごい技術の進歩により、すごい世の中になっていることは想像に難くありません。

家も同様です。すごい技術によりすごい「性能」を持った家が普通に建てられていることでしょう。
今現在の物差しで「高性能」であったとしてもそれは数年後に陳腐化するでしょう。

例えば「高性能」しか取り柄のない家、のその「性能」が陳腐化してしまった時、
その家の価値はもうありません。

これは「科学技術の進歩が相対的に家の価値、つまり寿命を縮めてしまう」ということを意味しています。

でも、現時点での最高性能を求めるのは間違いではないんじゃ?

現時点で「最高性能」であることは、相対的に性能が落ちるスピードがゆっくりである、ということは
当然言えます。

しかし、一つ言えることは住宅とはそんな短いスパンで考えるものではない、ということです。
科学技術の進歩はドッグイヤーです。
スマホがこの世に出てから未だ数年しか経っていません。恐ろしいことに。

住宅に住み続ける年数と技術・性能の進歩のスピードは比較になりません。

また、性能が高くなればなるほどに費用がかかります。
そんな技術の進歩が購入時の家の「性能」を「簡単に陳腐化」してしまうことが
多くの予算を割り当てて「性能」「性能」とするのには問題があることがわかるでしょう。

お金をたくさんかけた家は、特に心理的にも建て替えや手を入れる際にも難しいものなのです。
周りを見渡して、本当は価値がないけど、自分だけが大事にしている「単に高かっただけのもの」ってありませんか?

では、どうすれば良いか

家にかけられる予算は限られています。
当然ですが性能は大事です。
しかし、「高性能」であることばかりに目を向けてしまい、
その「高性能」の賞味期限がどれくらいか、を考えずに進んでしまわないために
よくよく「高性能は現在の価値」ということを肝に銘じて
さらには、性能以外の指標を自分で持つことが大事なのです。

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