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集成材 と 無垢材の比較

集成材とは木質材料の一つで、断面の小さい木を寄せ集めて接着剤で固めたものです。
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無垢材とは木を切ってそのまま使用したものです。

集成材は人工材と言え、
一方、無垢材は天然材と言えるでしょう。
なぜか日本人は「天然もの」という言葉に大層弱く、
無垢材の方が「いいもの」と捉えがちですが、果たしてそうなのでしょうか。
詳しく検証してみましょう。

集成材は科学の賜物

「家」は古来からあるもので特に日本においては木造住宅といえば、無垢材を使用してきました。
なぜでしょう。
それは、無垢材しか選択肢がなかったからです。
集成材が使用される、または選択肢として与えられるのはここ最近のことです。
それは開発を重ねることにより、
集成材が無垢材よりも優れている点を多く持たせられるようになってきたからなのです。

耐久性は無垢材の方が上と言われるが本当か

集成材は無垢材同様に規格により強度がきちんと保証されています。
圧力をかけ、接着剤を塗ったすぐ、製造時の強度は同じ木で作った場合の無垢材よりも強度は優れています。

しかしそれは、
木材の強度を表す「ヤング係数」は無垢材に比べて厳しい数字(5から10程度以上)を求められていますし、
「含水率」も5%以上の厳しい数字が求められているため、それをクリアするためにはそれなりの強度にしなければならない、という事実があります。

集成材にすることで強度が上がるのではない

つまり、集成材にすることで強度が上がるのではなく、
規格が求める強度が大きいためにそれにあわせて製造するから、
結果的に強度が上がる、ということなのです。

例えば、ゆるゆるの接着剤を使用して集成材を製造した時、
それでも「集成材」は「無垢材」よりも強度が高い、と言えるでしょうか?

次に規格が無垢材よりも厳しい基準を設けている理由です。
これは、より厳しい規格にすることで、「ヤング率」や「含水率」などで測れない、
特に接着剤の性能による部分が大きくなる
もろさや、経年劣化などの不確実事項への対策ととれるでしょう。

実際に耐久力に問題がある集成材の話をよく耳にします。
耐久力に問題があるのに、使用され続ける理由は、
集成材そのものの構造にあります。

集成材は内部の状況が不明

集成材は、接着剤で小さい木材を固めたものです。
木の耐久力とはなんでしょうか。
それを考えるには逆を考えます。
「耐久力がない木」というのはすぐに折れたり、割れたりするものですよね。

あまり品質のよくない集成材が耐久力に問題があった場合、どうなるでしょうか。
内部に使用されている木材(ラミナ)が割れるのです。
内部で割れるために、その「割れ」は接着剤に分割されたエリア以上は伝わらないのです。

これはどういうことかというと、内部で割れを起こしている集成材は
それを開けてみないとわからない、ということなのです。

柱などに使用されている集成材は断面を割るわけにいきませんから
割れているかどうか不明のまま使用される、ということがあるのです。

単純に耐久年数を測るのは不公平

しかし、上記のような事実から
無垢材 = 長持ちする
集成材 = 長持ちしない
という結論のイメージを持つのは不公平です。

無垢材は日本に建築が伝わってからそれこそ何百年ずっと使われています。
中には建築当時のまま木材が残っている、という建築物もあります。
そこまで歴史のあるものでなくても、
無垢材は40年はもつ、ヒノキなら200年、などと
いう人もいます。

しかし、例えば今から200年前に「科学の結晶」である集成材があったか、というと当然ありません。
今から40年前に現在使用されているほどの集成材もありません。

比較するべきは、「今から40年」、「今から60年」であるべきでしょう。

集成材は高性能木材として

集成材は接着剤の使用の仕方により、
様々な特性を持たせることができます。

シロアリに強い木材、腐らない木材、大きく曲がった木材、などなど
接着剤に薬剤を混ぜたり、
加工時の手のかけ方で高性能な特徴を持たせることができます。

寸法の安定

住宅に用いる木材は乾燥させなければなりません。
適切な含水率にまで乾燥させることで強度を高めます。
木は伐採後は水を多く含みます。
そして木は大きくなればなるほど、乾燥に時間がかかるのです。
乾燥にかかる時間は表面積の多さと大きな相関があります。

集成材に用いる木材(ラミナ)は小さいため乾燥が早いのです。
そのためすぐに加工にまわすことができるのです。

一方無垢材は乾燥に時間がかかるためある程度の
計算により先を見越して加工にまわします。
そのため気象状況や温度により、含水率の変化によって縮みや伸びが生じ、
寸法への影響がでることがあるのです。

家の価値は無垢材の方が上

家の価値は当然、持ち主が決めるべきでしょう。
住んでいる人がこの家は3000万円の価値がある、と言えばそれに対して異論を唱える人は
全くありません。

しかし、普遍的な「家の価値」を考えてみると
それはやはり売ったときについた「値段」が外の目から見た「家の価値」と言えるでしょう。

“天然物が好き”という日本人の特性に照らし合わさなくても
なぜか無垢材で作られた家の方が他人が見た「家の価値」が高い、というのが
事実としてあるのです。

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