レッドウッドとホワイトウッドの比較
木造住宅にはふんだんに木を使用します。
無垢を使うか集成材を使うか、は集成材と無垢の比較をご覧ください。
木の比較によく出てくる単語としてホワイトウッドとレッドウッドがあります。
見ていきましょう。
広義の分類と狭義の分類があります
ハウスメーカーが宣伝する木材で「うちはホワイトウッドです」、「うちはレッドウッドです」などと言う場合、
これは広義の分類で使用されていることが多いのです。
狭義で「ホワイトウッド」というと
ドイツトウヒやヨーロッパスプルースなどと呼ばれる樹木の種類を指します。
また、「レッドウッド」はヨーロッパアカマツや米国産のセコイアを指します。
しかし、ハウスメーカーがホワイトウッドというと
それは「白木針葉樹」全般を指している場合があります。
また、
レッドウッドは北米産セコイアなどの樹木に加え心材が赤褐色の樹木全般を指している場合があります。
レッドウッドとは
レッドウッドはウッドデッキに使用される木材をビジュアル的にイメージしてもらうと
わかりやすいかと思います。
米松(ベイマツ)やスコッチパインなどをひっくるめて呼ぶことがあります。
米松は英語でダグラスファーと呼ばれ、fir(ファー)はもみの木のもみです。
これらはそれぞれ特色が似ているということで
ひとくくりにして集成材にすることがよくあります。
ホームセンターなどでSPF材というのが売っていますが、
ツーバイフォー建築ではSPFがよく使用されます。
スプルースはホワイトウッドに分類されますが
「SPF」とはお気づきの通り
SPRUCE..スプルース
PINE..松
FIR..ファー
の頭文字をとったものなのです。
ホワイトウッドに含水率が高くなり、柔らかくなる傾向があります。
住宅の部材としてはレッドウッドは集成材と使用されることがほとんどです。
特に集成材においてはそれを特徴づけるものは近年では接着剤の性能次第ということになります。
白木のものに比べて、特にカントリー調などや近年はやりの和モダンテイストの住宅には
特に木目の美しさが人気があります。
ホワイトウッドとは
ドイツ松(ドイツトウヒ)やベイツガ(米栂/アメリカツガ)などに代表される木の分類で、耐朽性が悪いため腐りやすい傾向にあります。
そのため加工して集成材として使用されることが多いです。
加工性がよいということと、一番の難所、乾燥時の縮みが小さいことが大きな特徴です。
日本での木造建築は杉が一般的でしたが、ベイツガの広まりとともに
ホワイトウッドが使われるようになりました。
住宅に関してよく言われる最大の関心事は
シロアリが発生しやすい、ということです。
しかし、この点もホワイトウッド集成材という形をとることで
特に問題はないと思います。
強度比較
よく強度はホワイトウッドが上、耐朽性はレッドウッドが上などと評されますが、
比較するにはその基準が大事なのです。
結局は試験、つまり「製材品の等級」が強度を決めるため、等級が同じであれば強度も同じ、と理解しましょう。
値段比較
基本的にはレッドウッドの方が高価です。
ヒノキやヒバなどと比較するとどうにもなりませんが、
木目の美しさを買われて、家具や作り物、デッキなど人の目に触れる部分に使用されるため
需要が多い、ということが理由に挙げられます。
結局は適材適所
両方にそれぞれの特色があります。
一般的には
梁にはレッドウッド
柱や土台にはホワイトウッド
と言われています。
それは、強度が同じであれば人の目に触れにくいものはより安い方をとるべきと思いますし、
土台などでは湿気の問題がありますが、
その点を乗り越えた集成材としてのホワイドウッドが選ばれることが多いのです。
例えば「全ての部材にレッドウッドを使用します」というハウスメーカーには
まず特色を説明した上でなぜそうなのか、を経済合理性以外の回答を求めることをおすすめします。
日本ではホワイトウッド集成材が重宝される背景には、
日本古来の家に対する神話があり、ヒノキやヒバなどに対するあこがれが根強いことが上げられます。
見た目も含めたイメージで、より白いものが好まれるのです。