パナホームの特徴
やや高級メーカー
坪単価が70万程度からと高級です。
そのなかでもインテリアはほぼパナソニック製品でそろえてきますし、
それぞれのインテリアは子会社ということでそれなりの値ごろ感を感じられる価格を出してきます。
LIXILとアイフルホームの関係よりも、
深い関係で、パナソニック本体は特にトイレやバス、水回りと調理周りの商品力に定評があります。
また、商品のサポート力も一定の評価を受けています。
ビルトインの調理器具を一式パナソニックで揃えたい、といった要望にはコストパフォーマンスのよい選択肢となるでしょう。
制震鉄骨軸組構造
パナホーム自身がハイパースペース構法と呼ぶこの構造は、
近年、多くのビルに制震に採用されている「座屈拘束ブレース」を
住宅向けに小さくしたものです。
「座屈拘束ブレース」とは、
木造で言うところの筋交いにあたる、鉄骨工法での「ブレース」に
芯となる中心鋼材を拘束し、座屈させずに塑性化するようにしたものを使用します。
パナホームはそれらを「アタックブレース」と名付けています。
制震なので当然揺れを別のエネルギーに変換するわけですが、
ご多分ににもれず「地震エネルギーを熱エネルギーに変換」としているのは何か理由があるのでしょうか。
「え、地震エネルギーを熱に変えれるの?なんかすごい!」的な反応を狙っているのでしょうか。
熱に変える以外に方法があるのでしょうか。聞いてみたいです。
重量鉄骨ラーメン構造
パナホームと言えば鉄骨ですが、こちらは重量鉄骨ラーメン構造です。
NS構法とパナホームでは呼んでいます。
重量鉄骨は厚さ6mm以上の鋼材を指し、この構法では接合部をボルトで固定します。
重量鉄骨のラーメン構造は、高層ビルでも使われる構法で、
パナホームでは3階から7階まで対応可能としています。
どちらかというと、住居というよりは貸店舗や賃貸、店舗兼住宅などのより大きい構造物用の構法と言えます。
言葉を変えるとお金持ちさん用です。
大型パネル構造
他社では木造パネルでのモノコックを耐震への対策としていることが多い、
面で支えるモノコック構造を鉄骨で採用しています。F構法と呼んでいます。
150mmモジュール
鉄骨軸組でもラーメンでもともに150mmピッチでの調整が可能です。
特にラーメン構造でこの150mmという短さはかなり大きな利点と言えます。
ところで、このモジュール幅は短い方が宣伝効果があるのに、
なぜ150mmと表現しちゃうんでしょうね。
タウリン1000mgよろしく、15cmあるいは0.15mなどと表現する方が効果が高いと思うのですが
私だけでしょうか。
ここは工学的アプローチでエンジニアの良心的なものが働いてしまうのでしょうか。
高断熱・高気密と防湿(ベーパーバリア)
断熱には大手には珍しくロックウールを使用しています。
単純に比較するとロックウールはグラスウールに比べて断熱性能が高いのですが、
保水量が高いという欠点があります。
保水量が高いということは結露とくに壁体内の結露が起きやすいというデメリットがあります。
そこを下地に防湿層を敷き詰めることで
その欠点をカバーしようとしています。
ベーパーですよ。ペーパー(paper)ちゃいますよ。
vapor(湿気)のことです。
紙を敷き詰めるのではありません。
防湿シートにはポリエチレンやアルミ圧着フィルムが使われることが多いです。
しかし、ロックウールの欠点を補うべくの防湿なのに、
他社と比較して「防湿する」分、パナホームの方が有利ですよ、と思わせるあたり
なかなか宣伝がうまいですね。
また、高性能グラスウールなんかと比較するとロックウールは特に断熱性能に差は出ないため
グラスウールよりいいですよ、とも言わないところもクレーム避けとしては優秀かもしれません。
要は「高性能グラスウール一本」か「ロックウール + 防湿」の二択に性能差はないとすると
後者の方が「防湿しているアピール」ができる分、メーカーの宣伝としてはお得だという判断です。
ピュアテック・キラテック・パワテック
ピュアテックは断熱・気密・換気システムの総合名称で、
キラテックは光触媒搭載の外壁タイルのことで
パワテックは耐震構造の総合名称で特にF構法採用のモノコック構造を指します。
それぞれは、全く関連性を持たないカテゴリのものですが、
名称にて統一感を作り、耳馴染みのいい語呂でまとめてくるあたり、
この辺の名前の付け方のうまさ、というのは
BtoC企業であるパナソニックの得意なところとも言えます。
ちなみに外壁タイルのキラテックの
「光触媒」というのは「酸化チタン」のことです。
酸化チタンでは弱いのでどこにいってもどこの会社の商品でも「光触媒」と称されます。
酸化チタンは紫外線を吸収したときに超親水作用を示します。
超親水とは水が水滴にならず流れやすいことで、油性のものが全く付着せず、
汚れがついても雨や水で流れやすいという現象を示します。
換気について(第二種換気じゃないです)
第二種換気とは給気を機械で、排気を自然に行う形式ですが、
かつては、たしかに第二種換気を採用していました。
なぜかネットでは「パナホームだけは第二種換気」という意見ばかりですが
古くないですか?その情報
現在は第二種換気オンリーではありません。
第二種換気の特徴は光熱費の安さですが、
その利点を利用できる「エコナビ搭載換気システム」と呼ぶハイブリッド換気が特長です。
パナホームのハイブリッド換気は自動で自然排気と機械排気を切り替える方式をとっています。
特に冬、外気温が部屋内よりも下がり温度差ができると
自然の摂理により
ファンを利用しなくても自然に排気できるようになるため
これを利用します。
エコナビというシステムがそのタイミングを自動で判断してくれます。