イエアナ

なぜ上級国民たちは中古住宅をすすめてくるのか

東京五輪のエンブレム騒動の時、一時選ばれたデザイナーの案を取り下げの際に
選考委員の一人が述べた言葉が話題になりました。

実際に自らが選んだ案が盗作だとされたことに対して、

一般国民がこの説明を納得することは難しい、問題あり
一般国民は残念だが理解しない

という発言がありました。
本人は誤解だというでしょうが、「一般国民」をという単語を用いたことで
その上から目線の態度が世間の皆さんの反発を招いたのでした。

揉め事大好きなネットでは、その発言に対して、
自分たちは「上級国民」とでもいうのか、という書き込みから
「上級国民」という言葉が広まりました。

「上級国民」は
なぜか上から目線の人たち、もしくは生まれながらに社会的地位が高い、お金持ちな人たちや
単にお金もちな人を指す言葉として使われています。
この言葉が面白がって使われる背景には格差社会に対する不満の蔓延があるのですよ。

前置きが長くなりました。
amazonで「新築 中古」として書籍を検索すると、

てな結果です。

戸建で検索しても

という感じです

なぜかみんな中古住宅を推してきます。
中には「絶対買うな」的な本もあります。
本を出版できる、なんて人は上記に従うと上級国民ですよね
一般国民は本なんて出版できません。万が一出版できたとしても誰も買いませんよ

なぜこの上級な人たちはやたらと中古住宅を推してくるのでしょう。

新築で建てた家は建てた瞬間から中古

建てた瞬間とは言い過ぎですが、新築から誰かが登記した時点でその家は中古です。
新築住宅は建てた時点からその価値を増加させることは非常に難しいですが、
価値の減少曲線を緩やかにすることはできます。

日本の家の資産価値は国交省のデータによると20年から30年でゼロになります。
これは税務上の価値の減少速度よりも早いのです。
この家の価値の存続期間の短さは何が原因だと思います?

実は中古住宅マーケットが小さいからなのです。

中古住宅市場が小さいせいで、新築住宅の償却期間が短い

特に日本においては家を実際に建てられる土地は限られています。
そりゃ過疎地に行けば土地は余りまくっていますが、
そんなところに家を建てたい人はいません。

平地で、利便性があり、人もそこそこいる、なんていう土地で手の届く値段でさらに更地なんてものは
ほとんどありません。

そこに住みたい、という人に対して提示できる選択肢は
すでに建っている家に住むか、取り壊して新築住宅を建てるか
です。

ここで、みんな後者を選択します。
すぐに壊すのです。家が実際に弱いのではありません。
最近は国の後押しもあり、長期優良住宅も増えてきました。
それでも、壊すのです。
一般国民には昔から今に至るまで新築に対する憧れがずっとあるのです。

中古か新築かという選択において、新築を選択する割合が多いことはつまり
回り回って新築持家を資産として持つ国民は自分の資産価値を傷つけることになるのです。
誰かが住んだ住宅はその時点で需要がないわけですから。

中古住宅市場が小さい = 誰かが一度住んだ住宅は誰も欲しがらない ということなのです。
もし、中古住宅市場を活性化させることができれば
自分が住んでいる住宅も価値を持つことになりますから、
その規模に応じて減少曲線を緩やかにすることができます。

さて上級国民の話に戻ります。
上級国民はお金持ちですから、家も持家なんでしょう。
アパートを経営しているかもしれません。
中古住宅市場を活性化させ、持家の資産価値減少曲線を緩やかにし、「自分の資産価値」を守る、
というのが一つの目標でもあるのです。

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