マイナス金利時代の住宅ローン戦略
2016年2月、日銀はマイナス金利の導入を決定しました。
このマイナス金利とは、
銀行が日本銀行に預けているお金のうち、一定額以上を超える場合、その越えた部分にマイナス金利として手数料をとる、ということです。
預ければ預けるほどお金が減っていくという状態にする、ということです。
これにより、銀行が日銀に現金を預けるメリットがなくなりますから、現金を引き出して市場にお金を回してもらい
経済にいい流れを生み出してもらおうという戦略のようです。
今現在、この戦略がうまくいっているかどうかは別にして、この「マイナス金利」は様々なところへ影響を与えています。
いいようにも、悪いようにも。
預金の金利が下がり、住宅ローンの金利も下がりました。
微妙なところでは、銀行の株価が下がっています(笑)
円高には影響を与えることはできませんでしたが。
またここ数(十)年、普通預金の金利が増えることなんてなかったのに、マイナス金利が導入された途端、
「自分たちの取り分が減る」という理由だけで即座に預金金利をさらにさらにゼロ(1/20とかいうオーダーで)に近づけたのはなんか微妙な気分になりましたが。
家を買おうと考えている世代にはメリットが大きい
何と言っても住宅ローンの引き下げが大きいでしょう。
マイナス金利が導入される以前でも、史上最低と言われていたくらいのローン金利でしたがさらにそれを引き下げてきました。
先日も書きましたが、
住宅ローンは0.数パーセント違うだけでも支払い期間と当初借入額の大きさにより合計返済額に大きな影響を与えます。
この引き下げによる家計の助かり度、あるいは経済への貢献度は大変大きいと言えるでしょう。
この事実を持って何を考えるべきか、どういう戦略で行くべきか
ここで考えるべきは、この直前に固定金利でローンを組んだ人たちのことです。
当然、今よりも高い金利でローンを組んだことでしょう。
悔しい思いをしているのだろうと思います。
あなたが今から住宅ローンを組もうと考えているならば、自分が上記のような当事者であったなら、を想像してみましょう。
先のことはわかりません。
あなたが数年後、お金持ちになっているのか、はたまた職を失って食うにも困るくらいの生活をしているのかどうか、なんて誰にもわかりません。
それでも、希望を持って家を建てよう、買おう、という決断をしようとしているのです。
そして、ローンを組もうと考えているのです。
誰しもが経験することとはいえ、その勇気は称賛されるべきものです。
しかし、マイナス金利、などといった大きな出来事により自身の経済状況に影響を与えることを防ぐことは不可能であり、
予想できるものでもありません。
流れに身をまかせるしかありません。
家を建てる、住宅ローンを組む、ということは「将来の予想ができないから、博打」なのかもしれません。
しかし、その博打を「丁半博打」にするのか、「参加賞付きビンゴゲーム」にするのかはあなた次第なのです。
その時点で予想できることは限られているのに、身動きが取れない「固定金利で!」、などと賭けに出るのはやめましょう。
数年後に、住宅ローン金利が全てゼロパーセント、なんて世の中が万一やってきた場合にショックを受けることになるでしょう。
今後5年間の自身の収入は予想できるけど、金利が読めないという場合は当初5年間固定にした方がいいでしょうし、
10年その傾向が続くのなら10年にするべきでしょう。
要はあなたの予想なんて何の根拠もないので、
変なリスクをとって博打するよりも
流れに応じて手を打てるような体制を常にとるべきですよ、ということです。
ローン金利が下がっているのに固定で組んでしまった
という、私のアドバイスを無視した(笑)人もそれなりの救済はあります。
別記事をお待ちください。