一級建築士の平均給与
一級建築士として働く人は圧倒的に男性が多いです。
企業規模ごとに平均年収をみてみましょう
・企業規模が 10〜99人の場合
平均年収は566万円です。
平均年齢は54.6歳
・企業規模が 100~999人の場合
平均年収は579万円です。
平均年齢は44.8歳
・企業規模が 1,000人以上の場合
平均年収は870万円です。
平均年齢は43.6歳
・平均で(10人以上企業の場合)
平均年収は644万円です。
平均年齢は49.7歳
(厚労省の賃金構造基本統計調査より)
となっています。
また、総務省の経済センサス調査によると
建築設計業の事業所数は 49544、従事者数は 33万人ほどにもなります。
全国での年間の着工数は30万戸なので、例えば、それを事業所数で割ると
平均として 年間 6戸程度を一つの事業所が手がけていることになります。
建築設計業としての計算であり、必ず建築設計業の事業所が関わるわけではないために
その数が 6戸を軽く下回ることは想像に難くありません。
厳しい状況が見て取れます。
よほどの人気作家でない限り、設計費用として一見当たり100万円を大きく上回る費用を取ることは難しいため
に小規模建築設計業は厳しいと言わざるを得ません。
一方で、中には人気作家と言われる建築士もおり、その中でもテレビに出まくったりオリンピック施設を設計したりするような
建築家も存在します。
ここで言えるのは日本の格差社会よろしく、建築士界隈でも二極化が進んでいるということです。
建築士というのは特徴を出すのが難しい
多くの建築士は、「設計」を生業と「したい」ところなんですが、実情はそうではありません。
設計で食えない建築士は検査業務や、リフォームなどの小規模案件で糊口をしのいでいるのです。
一般的な話として建築士の人生を追ってみますと
・新卒でハウスメーカー・工務店等に入社
・営業職をしながら建築士の免許を取得
・社内建築士として一定期間働く
・何かのきっかけで独立することを考え、独立
という形が多いのです
建築士の生き残り戦略
最近、ほとんど工場で作り、現場で組み立てるプレハブ系の住宅に大手のハウスメーカーは力を入れています。
手作り感を醸すような情緒的なものだけが家に求められるわけではないのです。
大きな流れの中ではもはや、建築士が個人で設計できるような家が求められてるのではなくなってきているのです。
大手ハウスメーカーが提供する安心・安全・機能的な家が求められているのです。
このような中で、独立した建築士あるいはいわゆる「アトリエ事務所」と言われるような小規模設計事業所はどのように生き残ろうとしているのでしょうか。
安全で機能的な家は嘘だ、と批判し、企業活動としての宣伝広告費が上乗せされた価格を批判し、
自身がデザインする家の外観と内観のビジュアルデザインの良さをアピールするのです。
事実、小規模設計事務所に相談すると大手の批判と見た目の良さアピールで終始します。
間仕切りはいらない、収納はいらない、なんていう独自の視点系の建築士もいます。
もちろん、家に求めるものは人それぞれであるためにどちらがいいのか悪いのかという話ではありませんが、
こういう形で棲み分けているのだ、という理解をしていて損はないと思います。